ようこそ! 日本ミッション 2010年9月 5日(日) 20:24 JST
著作権ってなあに
「伝道のため」は理由にならない
音楽や映画、本などで著作権の争いを新聞記事で見ます。特に最近はインターネットでの画像のやり取りや記事の問題、あらゆる事柄に対して著作権の侵害や、取り締まりにあって裁判沙汰(ざた)になっているのを見ます。
著作権について日本は、世界でもその認識の甘さと、保護のモラルが乏しいと言われています。特に教会関係に、「伝道」という言葉の中で罪を犯す危険が多く見受けられることは、事実のようです。
著作権とは、個人や団体の知的所有権の保護のために設けられた法律です。この知的所有権には大きく二つに分けられています。一つは特許権、実用新案、意匠権、商標権といった発明やアイデアなどを保護する工業所有権があります。
もう一つは、文化的な創作物を保護する、いわゆる著作権で、著作権法という法律で保護されています。工業著作権は登録しない限り権利は無く、登録されていなければ使っても問題は、問われません。
しかし、著作権は何らの手続きをもなくても、著作物を創作した時点で自動的に権利が発生します(無方式主義)。そして、著作者の死後五十年まで保護されるというのです。
私が受けた今までの質問から、著作権法について考えてみたいと思います。
例1 あるテレビ番組が、非常に良かったので、教会のライブラリーに入れて、家庭集会などに使いたいので、録画を一本コピーして、実費でわけほしい。
テレビ放送をビデオにとるということは、番組を複製することです。家庭での録画は、私的使用のための複製が法律で認められているからできるのですが、他人にコピーすることは違法となります。しかも、実費となれば有料となり、なおさら禁止事項です。
また、教会のライブラリーに届いて、家庭集会で上映すると、不特定多数を対象とすることになり、私的使用とは言えませんので、違法となり、複製権の侵害となります。(著作権法21条)
例2 キリスト教書店から買ったビデオを、信徒 に貸し出したいが、もしも痛められたら困るので、コピーをしたものを貸し出して良いか?
例1と同じで、コピーそのものが遵法な行為です。しかも、許諾は非常に難しく、複雑になります。たとえ無料配布、貸出、伝道と理由をこねでも、著作権の侵害となります。更に、放送や映画の場合、著作物の著作権者か加わり、一層複雑です。私的使用以外は、たとえ営利でなく、また教育や研究のためであっても認められていません。無許可での録画、一般会衆への放映は許されないと考えることが、キリスト者としてとるべき態度ではないでしょうか。(同29条)
例3 伝道用に、牧師のメッセージに加えて、CDから取った一部の音楽を挿入したテープを使って、無料配布で良い成果を上げています。
市販の作品はすべてコピーも、貸し出しも禁止が原則です。教会の先生でも、伝道と言う言葉を持って違法が許されるものでもありません。メッセージは牧師の認可を持ってテープの作成は出来ましても、CDはたとえー部であろうと、著
作者に無断でコピーや引用、貸出は出来なくなっております。 (同96、98条)
例4 古い集会記録のテープが見つかり、素晴ら しい話なので、伝道のためにダビングして無料配 布をしたい。
いくら高くついても、面倒でも、発売者に尋ねてからでなければ、ダビングは出来ないことになっています。以前に、著作者から「無料で配布するならば自由にコピーをしても良い」という許可をもらったというケースもあるので、恐れず問い合わせをする習慣を身につけていただきたいと思います。決して無断でしないことです。
それから、キリスト教制作団体は、伝道ということを踏まえて、許容鞄囲を持っていることが多いようです。ただ、作品によってその権利内容が変わり、一筋では行きませんので、発売元に尋ねることが一番の賢明な策といえましょう。そうしないと、幾ら後で弁明をしても事実が有れば法律違反ですから、相応の要求をされても仕方ないことになってしまいます。
著作権は創作者の権利を守り、その人のみでなく文化向上のために、だれもが創作意欲をもたらせるとともに、その発想を大切にして、多くの人が共有できることを願うものなのです。
日本ミッション映画部 高原幸男