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ようこそ! 日本ミッション 2010年7月30日(金) 16:05 JST

コバンザメ こばんざめ 小判鮫

  • 2009年3月21日(土) 17:11 JST
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    804
海の生物から学ぶ

コバンザメ こばんざめ 小判鮫                                      1994年11月記


 過日、大阪港にある海遊館に行った。それは身体障害者のT姉が、世界一大きな水槽が出来たのを、見たいと言われた理由からであった。
 車椅子が必要なので、特別の受付に行って手続きをした。すると本人だけでなく、私も料金が半額で入場ができ、しかも、入場待ちの列に並ばなくても、特別の専用エレベーターで、一気に4階まで係が誘導して下さり、昇らせていただいた。順番を待つ多くの人達を後目に、鑑賞できるようにしてくれたのである。
 また行く先々にいた、案内嬢やガードマンの人達に、連絡が届いているらしく、待ち構えていたように、特別な応対を戴いた。何故か、皇太子と雅子さんが訪問しているような気分になり、私達のお礼を言う態度が、知らず知らず皇太子と雅子さんの会釈と、同じようになっていた。
 海遊館のメインは、体長15mに及ぶジンベイザメである。その巨体に見学者は一様に、低い声で「オーっ」と感嘆のうなり声を発する。T姉は「ワーっ!」であった。
 そのサメの腹には十匹あまりの小魚が群がっており、その内4匹程がジンベイザメのお腹にへばりついていた。それが小判鮫である。
 コバンザメと言われるほど、サメに形が似ているが、硬骨魚で、スズキに近縁と言われているが、今だに分類学上はっきりしていない。
 コバンザメはその名の通り、頭に昔の小判をおしいただいたように見えるので、コパンイタダキと言う所もある。だが、この魚はいっこうにお金を払わず、ただ乗りをつづける、海のヒッチハイカーである。
 そのためか、この魚の一般的評判は悪い。大きな魚にへばりつき、虎の威を借りるように自分を守りながら、おこぼれを貰って生きる魚と思われている。(そんな人間、政治家にもいるようですね)
 しかし、ジンベイザメを見ても、他の大きな魚を見ても、本人達は、気がついていないのか、一向に気にしていないようである。ヤツメウナギのように宿主の体液を吸い取る吸血鬼でもなく、共利共生の説もあるので、そうだろうと思うが、実際にサメのおこぼれを、貰っているのは知られていても、コバンザメが大型魚に利益を与えていることは判っていない。単にただ乗りをしているだけとしか思えない。
 時には、宿主が捕まると、離れることが遅れ、運命を共にする場合もある。更に、サメの腹からコバンザメが出てきた記録があるのを見ると、必ずしも本人が守られているとも思えないが、油断せず、ずる賢くおこぼれを貰っているようだ。
 さて、コバンザメの吸着力は、数十Kgの力に相当すると言われている。吸引方法は真空吸着法といわれ、大きな魚の平らな部分に吸盤を当て、その周りの肉質を立てて密閉状態で、まず弱い真空状態を保つ。さらに吸盤上にいくつもならんでいる板状体を立て、小さな真空の部屋をたくさんつくり、二重の真空室にする。
 その結果、吸引力ははなはだ強くなる上に、板状体には小さな棘が無数にあって、ひっかかりをつくって、後ろにすべらないようにしている。もし後方へ引っぱろうとすると、板状体がなお直立して真空度が増し、はがれにくい構造になっている。宿主からコバンザメをはがすには、とにかく前方に押しつけて真空状態を弱め、小さな棘を抜きながら移動させて引きはがすのである。
 この特徴を利用して、カリブ海・南シナ海・東アフリカの漁師は、コバンザメの尾びれのくぴれた部分に、なわをむすび、カメをめがけて放してやる。するとコバンザメは必死になって、近くの大きなカメの腹に吸い付く。そうしたら、なわをたぐりよせ、カメを捕まえるのである。有名な鵜飼漁法と同じである。ただ、へたをすると、カメの引く力が強すぎて、コバンザメがちぎれたりすることもある。
 鵜飼が鵜を大事にしている事と同じように、漁師から小判鮫は、大切に扱われ、特別のえさが与えられている。地域によって、人間のことばが理解できると信じられ、漁に失敗したりすると、魚を厳しく叱ったりするらしいのである。
 共利共生説より、片利共生説が有力なコバンザメ。
T姉が途中で、車椅子から降りて歩きたいと言った時、私は自分の半額の利がなくなることを恐れ、まあまあ座っておって下さいよと、勧め、T姉にへばりついている自分を発見した。 こんな私に似た、キリストの弟子達の行動を、聖書から今学んでいる。しかし私は反対に、キリスト・イエスに、ただへばりついて、主の動かれるそのままついて行く、そんな弟子の方が、主が喜ばれるのではないだろうか。最近、自分の教義や主義を立てて、世との分離だと思い違いをして、教会と分裂している人を見たりする。こんな時、コバンザメで良い、ジンベイザメのように大きな神様に、何の利益も与えずただ乗りしていても、その下にへばりついてさえおれば、恵みのおこぼれを戴いて生きる事が出来る。
偉大な主が、平然とユウユウと泳いでおられるのだから、幸いではないかと、最近、何事にもすぐ疲れを感じる、自分へのズルさの言い訳にしている。
 

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