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ようこそ! 日本ミッション 2010年7月30日(金) 16:06 JST

ケヤリ、けやり、毛槍

  • 2009年3月21日(土) 17:06 JST
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    721
海の生物から学ぶ

ケヤリ、けやり、毛槍

 腔腸動物門 多毛網 定在目


 私の教会で、英会話教室をしているが、クラスにダイビングが好きで、海外に出かけてまで写真を撮ることを、趣味にしている人がおられる。
 先日、その方が白浜の海で撮影したスライドを見せてくれた。その中の1枚に、赤、黄色、青、紫、ピンク、縞模様に、まだらと色取り取りに、岩に咲いた花畑のような海中写真があった。伺えば、海草のように見えるが動物だとのこと。後で図鑑を調べたら「ケヤリ」と言う生物であると判った。
 このケヤリと言えば、大名行列の先頭に立って、長い毛槍を撮りかざし、「したに-」 「したに-ぃ」と声をかけながら、勇ましく槍先についた飾りの毛を振り回して進む姿を、昔の映画で見たことを思い出す。
 図鑑では丁度、その振りかざした有り様に、この生物の形がそっくりなので、この名がつけられたと言う。イソギンチャクに似ているが、釣リ餌でおなじみのゴカイやイソメに近い動物と言う。
 花のように広げたものは鰓冠(さいかん)と言って、海中の食物をとったり呼吸をしている大切な部分である。ゴカイの仲間でも、すみかの管をつくってそのなかにすむものは定在類としてまとめられている。
 ケヤリの管は弾力性のある透明なうすい膜で、その表面にこまかい砂粒や泥、貝殻の小片などをくっつけている。
 この仲間でエラコと言うものがあって、釣り餌によく使われる。ところが、このエラコの管にさわると、手のふれたところが赤くはれることがある。よくエラコに刺されたというが、実際は管の入口に共生している腔腸動物のニンギョウヒドラが犯人である。
 このヒドラはエラコという家主なしでは生きておれないらしく、エラコの管からエラコの本体をとりさるとヒドラは衰えて死んでしまう。
 ヒドラはどうもエラコから出る分泌物を吸い取りながら生きているらしいのである。エラコ自身が生きるのには関係がないが、迷惑ながらも自分を保護するために用心棒を雇っているような関係である。
 政治家も大企業も、自分を守るために必要悪だと、言い訳しながら右翼、暴力団を養っているのと似ている。
 ケヤリの受精した卵の多くは浮遊生活を経験して、成育する。その後、岩などに付着して落ち着き、親に似た生活を繰り返して行くが、ある卵は親から離れられず、浮遊生活もしないで、親とおなじ形に成長するものがある。親離れできない若者と何となく似ている。
 このゴカイ科は、大部分が雌雄同体で、数種は自己受精をおこなったり、自分の産んだ卵に自分で受精していくものもある。またある種類は卵からかえれば全部オスばかりで、後になって一部がメスに性転換して行くものかある。こうなると、善悪は別として親子の関係も、成長過程も、一般常識では判断できない彼ら独自の生き方があるようだ。
 ケヤリは非常に敏感で、ちょっとした振動や、急に光がさえぎられると、すばやく管のなかにひっこんで危険をさける。このすばやい反応は、発達した感覚器官と大きな神経繊維のおかげであると共に、鰓軸(さいじく)にそって10~15対の赤紫色の目を持って、周囲を監視しているからである。
 さらに鰓冠全体に光を感じるセンサーを持っているものがあって、外部の動向を知る早さは、人間の百倍のすぽやさであると言われている。
 人間社会でも、悪いやからは出来る限り多く、外部からの情報をすばやくキャッチしようと、多くのセンサーを持とうとする。隠しカメラやタレコミ屋、現代はコンピュータの情報交換、インターネットと、高額機材を揃えて必死になっている。
 しかし、やさしさや豊かさをもつ、穏和な人は、情報が入って来ない、僻地や自然の中に住んでおられる所に多く見つかる。大都会の中に、人を思いやる穏やかな人を見つけることは難しい。もしいたとしたら、情報社会から、縁遠く生きている人ではないだろうか。
 過度な情報、忙しく、狭苦しい時代だからこそ、あえて何かを知ろうとはせず、のんぴりと構え、逆らって生きていることの重要さを知る。その時に人生の意味と、自分の本分をわきまえ、生きる目的を知る幸いを身につけられるのではないだろうか。

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